養育費の滞納時に立て替えてもらえる!養育費保証とは?

離婚後に養育費をきちんと支払ってもらうためには、公正証書作成が有効ということはご存じの方も多いでしょう。けれど、公正証書作成だけでは、現実には安心できません。

今回は、養育費確保のために大変メリットのある養育費保証サービスについて説明します。

※以下、母親側(元妻)が養育費を受け取るものとして説明します。

 

養育費保証とは?

元夫が養育費をきちんと払ってくれるかどうか不安な場合には、「誰か保証人を付けられないか?」と思うかもしれません。元夫の親などが保証人になってくれればいいですが、了承してもらえるケースは少ないでしょう。そんなとき、活用したいのが、養育費保証サービスです。

養育費保証サービスは、保証会社に保証料を支払えば、養育費の保証人になってもらえるというものです。賃貸住宅に入るときにも保証会社を付けることが多いと思いますが、それと同様のことが養育費についてもできます。

 

滞納があっても1年分は立て替えてもらえる!

養育費保証サービスでは、元夫が養育費を払わない場合に、最大12か月まで養育費を立て替えてもらえます。元夫への督促も、保証会社に任せていればOK。プロの業者が督促するわけですから、たいていの人はすぐに払います。

「公正証書を作成していれば、差押えできるんだから大丈夫でしょう?」と思っている人もいるかもしれませんが、差押え(強制執行)の手続きはそんなに簡単ではありません。お金を払って弁護士に頼まなければならないこともあります。

仮に自分で強制執行の手続きをしたとしても、お金を回収できるまでには時間がかかりますし、元夫の勤務先に連絡をとって支払いの打ち合わせをするといった煩わしい手間も発生します。

養育費保証サービスを利用すれば、何もしなくても1年間はお金の確保ができます。もちろん、1年間の間に元夫が再び払うようになれば、差押えの必要もありません。

 

養育費保証の形式

養育費保証には、

  1. 保証会社が元妻と保証契約を結び、元夫と保証委託契約を結ぶ方法
  2. 保証会社が元妻のみと保証契約を結ぶ方法

の2つのパターンがあります。

1のパターンでは、元夫も契約の当事者になるので、元夫の了承が必要です。一方、2のパターンなら、元夫の了承はいりません。

元夫の了承が得られるなら、1のパターンがおすすめです。1のパターンでは、保証会社が毎月決まった日に元夫の口座から養育費を引き落とし、元妻に入金してくれます。

 

養育費保証を申し込むには?

養育費保証サービスを申し込むためには、離婚協議書が必要です。できれば、公正証書を作成の上、保証会社に申し込みしましょう。

申し込みの時期は、離婚と同時でなくてもかまいません。既に離婚して養育費の支払いが発生している場合でも、途中から保証サービスを付けることができます。

当オフィスでも、養育費保証会社のご紹介が可能です。離婚協議書作成時にご希望の方はお知らせください。

協議離婚サポート(離婚協議書・公正証書作成)

 

養育費保証の補助金がもらえることも!

養育費保証サービスは、最近になって注目されるようになってきたものです。「養育費保証サービスなんて怪しいんじゃないの?」「保証料ぼったくられるんじゃないの?」等々思う人もいるかもしれません。

しかし、離婚後のシングルマザーの約2割しか養育費をもらっていないという現状を受けて、行政でも養育費保証の利用を推奨する動きが高まっています。

当事務所のある大阪市でも、2019年4月より、養育費保証サービスの保証料を補助するための「養育費の保証促進補助金」の制度が始まっています。補助金をもらえば少ない負担で養育費保証サービスを利用できますので、ぜひ保証を付けることを検討してみてください。

【参考】大阪市:養育費の保証促進補助金

なお、大阪市の「養育費の保証促進補助金」をもらうためには、養育費について公正証書で取り決めする必要があります。大阪市では、公正証書作成に対しても補助金が出ます(「公正証書等作成促進補助金」)。公正証書と養育費保証サービスにより、毎月の養育費を安心確実に受け取ることが可能になります。

【参考】大阪市:公正証書等作成促進補助金