シングルマザー向けの手当・助成制度

シングルマザーとなって一人で子どもを育てていくのは大変です。
利用できる手当や助成制度は積極的に活用しましょう。
シングルマザーが受給できる手当としては、児童扶養手当があります。
児童扶養手当については別ページで説明していますで、ここではそれ以外の手当や助成制度について説明します。

1.児童手当

ひとり親家庭に限ったものではありませんが、中学生までの子どもがいる家庭に支給される手当として、児童手当があります。
児童手当の1か月あたりの支給額は、

3歳未満 1万5,000円
3歳以上 原則として1万円(ただし、3歳から小学校修了前の第3子以降は1万5,000円)

となっており、所得制限を超えない限り、この金額が一律に支給されます。
所得制限に引っかかるのは年収800万円を超えるような人なので、たいていのシングルマザーはもらえるはずです。

児童手当は、離婚する前は、通常、夫婦のうち収入の多い方が受給者になっています。
離婚前に夫が受給者になっており、離婚後には妻が子どもを引き取る場合には、受給者変更の手続きが必要になります。

離婚により児童手当の受給者変更をするときには、離婚届を出した後でないと手続きできません。
ただし、離婚を前提として別居している場合には、離婚前でも受給者変更ができることがあります。
離婚前に受給者変更をする場合には、離婚調停中であれば家庭裁判所で発行してもらえる事件係属証明書、離婚協議中の場合には行政書士などが作成した離婚協議中であることの証明書などが必要になります。

離婚協議中の証明書とは?

 

2. ひとり親家庭医療費助成制度

ひとり親家庭の医療費の一部を助成してくれる制度があり、市町村単位で運用されています。
具体的な助成の内容は市町村によって異なります。
大阪市の場合、1つの医療機関で1か月のうち2回目までは1回500円で、3回目からは無料で診察が受けられます。また、受診後に薬を薬局でもらう場合、薬局での支払いはありません。
1か月の間に複数の医療機関にかかった場合にも、月2500円が上限になります。
子どもだけでなく親の医療費も対象になるため、ひとり親家庭では医療費の心配はほとんどありません。

 

3. 就学援助

就学援助も、ひとり親家庭に限ったものではなく、小学校・中学校に通う子どもがいる低所得世帯が受けられる支援制度です。
就学援助の内容も市町村によって違いますが、一般に、給食費や学用品費、修学旅行などにかかる費用分を支給してもらえます。
ひとり親家庭については、通常よりも所得の基準が緩くなっているという優遇が設けられている市などもあります。

 

4. 自立支援教育訓練給付金

シングルマザーが雇用保険の教育訓練給付金対象講座(医療事務、パソコン、簿記、ホームヘルパーなど)を受講し、修了した際には、経費の60%が支給される「自立支援教育訓練給付金」という支援制度があります。
ちなみに、一般の教育訓練給付金では、支給額は経費の20%となっているほか、雇用保険加入期間の制限(原則3年以上、初回は1年以上)があります。
シングルマザーの場合には、雇用保険加入期間の制限はなく、より充実した支援が受けられます。

 

5. 高等職業訓練促進給付金

シングルマザーが看護師、准看護師、保育士、歯科衛生士、介護福祉士、理学療法士、作業療法士、社会福祉士等の資格を取得するため、養成機関で1年以上修業する場合に、訓練受講中の生活費を支給してもらえる「高等職業訓練促進給付金」と呼ばれる制度があります。
支給額は月7~10万円程度になりますから、これらの資格取得を考えている方はぜひ活用しましょう。

 

6. 国民健康保険料の減額制度

パート・アルバイト、フリーランスなどで社会保険に加入できないシングルマザーは、国民健康保険に加入しなければなりません。社会保険の保険料は会社が半分負担してくれますが、国民健康保険料は自分で全額負担しなければなりません。保険料の金額は市町村によって違いますが、ひとり親家庭にとってはかなり負担が大きくなります。
市町村によって扱いは違いますが、ひとり親家庭であれば、自動的に国民健康保険料の減額が受けられるところもあります。

 

7. 国民年金保険料の免除制度

社会保険に加入できないシングルマザーは、国民年金にも加入が必要です。国民年金保険料は、月額1万6340円(平成30年度)になります。
国民年金保険料の免除制度はひとり親家庭に限ったものではありませんが、条件をみたしていれば、申請により受けられます。免除になる場合には、前年度の所得によって、全額免除または一部免除になります。
国民年金保険料の免除申請は、市町村を窓口として、日本年金機構に申請することになります。

 

8. 寡婦控除

所得税や住民税は、所得の金額に応じて税額が変わります。シングルマザーは、税金を計算する際、寡婦控除として所得の金額から一定額を差し引くことができます。
寡婦控除の額は、通常の寡婦の場合27万円、特定の寡婦の場合35万円ですが、シングルマザーはほとんどの場合特定の寡婦に該当します。
寡婦控除を受けるには、勤務先で年末調整がある方は「扶養控除等(異動)申告書」の(主たる給与から控除を受ける)「障害者、寡婦、寡夫又は勤労学生」の欄の「2寡婦」または「3特別の寡婦」に○をつけます。
確定申告する人は、「寡婦、寡夫控除」の欄に控除額(27万円もしくは35万円)を記入して計算します。

 

9. 固定資産税・都市計画税の減免

シングルマザーでも離婚の際に財産分与で家をもらったり、自分でマンションを購入したりして、不動産を所有していることはあると思います。不動産の所有者には市町村から固定資産税や都市計画税が課税されますが、ひとり親家庭の場合にはこれらの税金も減免が受けられることがあります。

 

10. JR定期乗車券の特別割引制度

シングルマザーはJRの通勤定期券が安く購入できる制度もあります。これは、児童扶養手当受給中のシングルマザーが対象になり、市町村で証明書を発行してもらってJRの窓口に持って行くことで、3割引で購入できます。
通勤交通費は会社負担のことが多いと思いますが、自己負担でJR利用の場合には忘れずに制度を活用しましょう。

 

11. 利子非課税制度・福祉定期預金制度

預金をしたときの利子にも20%程度の税金が課されることはご存じと思います。
児童扶養手当を受給しているシングルマザーは、元本350万円まで利子が非課税になる優遇(マル優制度)が受けられます。
マル優の手続きは、窓口に証明書を持って行ったり、書類を書かなければならなかったり、非常に面倒です。
少額の貯金しかない人にはあまりメリットがないですが、まとまった貯金がある人はぜひ活用してください。
また、郵便局では、福祉定期預金という通常の定期預金より少し金利の良い預金に預けることもできますので、こちらを同時に活用するのもおすすめです。

 

まとめ

シングルマザー向けの優遇制度は主に都道府県や市町村単位で用意されています。
ここに書いた以外の優遇制度が受けられる場合もありますので、お住まいの自治体の役所で確認してみましょう。