離婚調停の申立て方法
夫婦間で離婚の話し合いができない場合、離婚には合意しているけれど条件面で折り合いがつかない場合などに、家庭裁判所に離婚調停を申し立て、家庭裁判所で調停委員を間にはさんで話し合いをするという方法があります。
離婚調停の申立て方法と必要書類
離婚調停の申立ては、家庭裁判所に以下の書類を提出して行います。家庭裁判所の受付窓口に持参して提出するほかに、郵送での提出も可能です。なお、郵送の場合には、事前に電話で細かい必要書類などを確認するようにしましょう。
○夫婦関係調整調停申立書
書式は裁判所のホームページからダウンロードできます。
○戸籍謄本
結婚している夫婦は同じ戸籍に入っているはずなので、戸籍謄本は1通でかまいません。
○年金分割のための情報通知書
離婚の際に年金分割をしたい場合には、年金事務所を通して日本年金機構に「年金分割のための情報提供請求書」を提出し、「年金分割のための情報通知書」を取り寄せておきます。
年金分割について、詳しくはこちらをご参照ください。
○その他の資料
財産分与について話し合いをしたい場合には財産状況がわかる書類(不動産の登記事項証明書や固定資産税評価証明書、通帳コピーなど)、養育費について話し合いをしたい場合には、収入証明書類(源泉徴収票、所得証明書など)を提出しておくとスムーズです。
調停中に提出すべき資料については調停委員から指示がありますから、申立て時に必ず添付しなければならないわけではありません。
○収入印紙
申立て手数料1200円を収入印紙で納めます。
○連絡用郵便切手
裁判所からの連絡用に使う郵便切手を提出するよう指示があります。切手の額は裁判所によって違いますが、1000円程度になります。
○付属書類
各裁判所で「事情説明書」「進行に関する照会回答書」「連絡先等の届出書」などの書類を用意しており、これらの書類に記入するよう言われることがあります。
離婚調停の申立て先
離婚調停は、相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に申し立てるのが原則となっています。
夫婦が特定の家庭裁判所で調停をする旨合意している場合には、その家庭裁判所に調停を申し立てることもできます。この場合には、申立書と一緒に、「管轄合意書」という書面を提出します。
相手方が遠方に住んでいるけれど、小さい子どもがいるので移動が困難というような場合には、最寄りの家庭裁判所に申立書と一緒に「自庁処理上申書」という書面を提出すれば、その裁判所で調停を行ってもらえる場合があります。
なお、自庁処理が認められなくても、遠方の裁判所の場合には、電話会議により調停を進めることが多くなっています。
ただし、調停が成立し、最終的に調停調書を作成するときには、夫婦双方が同席する必要があります。
離婚調停と同時に婚姻費用分担調停の申立ても検討
夫婦である限り、別居中でも婚姻費用を分担する義務があります。
離婚調停を申し立てても、調停が成立するまでは時間がかかりますから、相手方が生活費を払ってくれないなら、婚姻費用分担調停を同時に申し立て、生活費の支払いを確保した方が良い場合があります。
婚姻費用分担調停申立ての書式も、裁判所のホームページにあります。
離婚調停と同時に申し立てる場合、必要書類は援用することができますが、申立て手数料は別途1200円かかります。
離婚調停はどうやって進む?
離婚調停では、夫婦が交代で調停室に入り、調停委員と話をします。
調停委員が間に入って相手方に話をしてくれますから、相手方と直接話をするわけではありません。
待合室も別に用意されていますから、通常は、相手方と顔を合わせることもありません。
離婚調停はどうやって終了する?
話し合いがまとまれば、調停成立ということになり、調停調書が作られます。
調停調書に書かれたことを相手方が守らない場合には、強制執行も可能になります。
調停不成立になった場合、どうしても離婚したければ、再度協議離婚を試みるか、裁判を起こす必要があります。
なお、調停での話し合いがまとまらない場合でも、調停不成立とするのではなく、裁判所が職権で審判(離婚の決定)を出し、審判離婚が成立することもあります。