浮気の証拠の集め方

「夫（妻）が浮気しているかもしれない」という場合、単に浮気の疑いがあるだけでは、できることが限られてしまいます。浮気をやめさせたいのであれば、証拠を集めなければなりません。ここでは、浮気の証拠集めのポイントをお教えします。

浮気の証拠はなぜ必要？

パートナーの浮気が原因で離婚する場合には、パートナー及びその浮気相手に対して慰謝料を請求することができます。ここで、パートナーや浮気相手が自ら浮気を認め、慰謝料も支払うと言ってくれればいいですが、そういうことはなかなかありません。たとえ浮気が事実でも、浮気を否定し、慰謝料の支払いを逃れようとすることが考えられます。

浮気されたけれど離婚はしたくない場合でも、浮気相手に対しては慰謝料請求ができます。この場合でも、浮気相手に対して「不倫したんですから慰謝料を支払ってください」と要求しても、浮気相手が素直に関係を認めることは期待できないでしょう。

慰謝料を任意に支払ってもらえない場合、裁判などの法的手段を用いて慰謝料請求する方法があります。この場合には、証拠が必要になります。証拠から浮気している事実が確認できれば、「慰謝料として○○円を支払え」という判決などを得ることができます。それでも支払わなければ、強制執行して払わせることも可能になります。

動かぬ証拠があれば、浮気した側は「証拠を押さえられている以上、裁判になったら負けてしまう…」と思いますから、裁判になる前に慰謝料を支払うケースも多くなります。逆に、証拠がない場合、本人に「浮気なんてしていない！」と開き直られたら、取れる手段がなくなってしまいます。パートナーの浮気があった場合には、実際に裁判を起こすかどうかはともかく、証拠を取っておくことが重要になるのです。

どんなものが証拠になる？

メールやLINEのやりとり

今は人との連絡はLINEという人が多いと思います。パートナーが浮気相手とLINEで連絡をとっており、そのLINEのやりとりから肉体関係があることがわかるなら、そのやりとりが浮気の証拠となり得ます。パートナーのスマホを見ることができれば、こうしたやりとりも確認できる場合がありますから、自分のスマホで画面を撮影して保存しておくことで、後々証拠として使えることがあります。

なお、相手との深い関係を思わせるLINEのやりとりが残っていても、「あれはちょっとした言葉遊びなんだ」「妄想を言ってしまっただけなんだ」などと本人が言い逃れするケースがあります。LINEだけでは証拠として十分ではないことがありますから、他の証拠も合わせて取っておくのが安心です。

浮気相手の自宅やラブホテルへの出入りの写真・動画

浮気相手の自宅やラブホテルで密会している場合、出入りしているところを撮った写真や動画が証拠となります。ただし、入るところだけではなく、出てくるところも撮影しておかなければなりません。また、１回だけでは不十分で、複数回出入りしているところを撮っておかなければ、不貞行為の証明としては不十分となってしまいます。

なお、写真や動画は、いつ撮ったかという日付がわからなければなりません。デジカメの場合には撮影日付が残りますが、日付は意図的に操作できることもあるため、その日の新聞と一緒に撮影したり、撮影した後自分のメールアドレスに送信して日付を明らかにしたりする工夫が必要です。

GPSによる行動記録

パートナーの車にGPSを仕込んでおけば、浮気相手の家やホテルに出入りしていることがわかることがあります。GPSは市販されているものもありますが、スマホや携帯にも装備されています。子ども用の携帯はGPSが標準装備となっているため、子ども用携帯をパートナーの車の目立たないところに隠しておき、自分のスマホやパソコンで位置情報を確認するのが手軽です。

なお、GPSによる行動記録は、それだけで浮気の証拠になるものではありません。GPSを使えばパートナーがどこへ行っているのかを突き止めることができますので、現場へ行って写真を撮るなどの方法がとれるようになります。

浮気調査は探偵に頼むべき？

浮気調査を探偵に頼むメリット

浮気調査と言えば、探偵や調査会社に依頼することを思いつく人は多いでしょう。探偵や調査会社はその道のプロですから、様々なノウハウを用いて浮気の証拠を集めてくれます。素人が自分で調査するよりも、確実に浮気の証拠を取ることができます。

探偵や調査会社に依頼するとなると、相応の費用がかかりますから、躊躇する人も多いと思います。けれど、浮気の動かぬ証拠が取れたなら、それによって十分な額の慰謝料を獲得できる可能性も高くなり、調査費用も回収できることになります。

もちろん、費用は全くかけられないという場合には、何もしないよりは自分でできる限り証拠を集めた方がいいです。尾行などは一人では難しいこともあるため、協力してくれる人を探して証拠集めをしましょう。ただし、自分で調べていると、うっかりパートナーに気付かれてしまうことがあります。この場合には、パートナーに警戒されてしまい、それ以降証拠が取れなくなってしまうリスクがあります。自信がなければ、最初からプロに頼んだ方が安心です。

浮気調査を依頼する探偵の選び方

探偵になるための資格は必要なく、誰でも開業することができます。インターネットで目についた探偵が、必ず信頼できる業者とは限りません。探偵を選ぶときには、次のような点をチェックしておきましょう。

届出業者であるかどうか

探偵業を営む場合には、都道府県の公安委員会への届出が必要とされています。届出されていない業者は、違法業者ということになりますから、最低限届出業者であるかどうかは確認しておきましょう。届出業者であれば、ホームページなどに届出番号が記載されています。

調査業協会に加盟しているか

探偵業にも日本調査業協会などの業界団体があります。調査業協会に加盟していない業者が良くないとは一概に言えませんが、協会に加盟していることは、ある程度信用性を図る基準となります。協会に問い合わせることで、地域の探偵業者を紹介してもらうこともできます。

料金が明確かどうか

信頼できる探偵業者なら、契約する前に、きちんとした見積もりを出してくれ、どのような場合に追加料金が発生するのかも前もって説明してくれます。料金について明確にしない業者は、信用しない方がよいでしょう。どこの探偵業者でも見積もりは無料でしてくれるはずですから、複数の業者に見積もりしてもらい、比較検討して選ぶのが安心です。