離婚協議書の提出が必要となる6つの場面

裁判所で離婚するときには、夫婦間の取り決めを調停調書などの書面にしてくれます。

しかし、協議離婚の場合には、条件について口約束しただけでも離婚できてしまうため、そのままでは書面が残りません。

協議離婚するときにも、離婚協議書という形で書面を残しておくのがおすすめです。

離婚協議書は約束を忘れないよう、お互いが持っておきます。

ただし、離婚協議書をどこかに提出する必要が出てくることがあります。

今回は、離婚協議書の提出が必要となるケースを6つ挙げてみます。

1. 児童扶養手当の申請のため役所に提出

離婚後ひとり親になる人は、児童扶養手当の申請をすることが多いでしょう。

児童扶養手当の際に、役所で離婚協議書や公正証書の提出を求められるケースがあります。

たとえば、離婚後も夫名義の家に住み続ける場合、児童扶養手当をもらうための偽装離婚を疑われかねないため、スムーズに申請が通らない可能性があります。

一定期間家に住み続けるとか、ローン返済後に名義変更するなどの取り決めを公正証書に記載しておけば、それを提出して申請できることがあります。

2. 住宅ローンの借り換えや債務引受のために金融機関に提出

夫が住宅ローンの債務者になっている家を財産分与で妻がもらう場合、原則的には債務者を妻に変更しなければなりません。

この場合、借入先の金融機関で債務引受の手続きをするか、他の金融機関から妻名義で借り換えを行う必要があります。

このようなケースでは、金融機関から離婚協議書の提出を求められます。

公正証書が必要と言われることもあるので、事前に金融機関に相談してから、離婚協議書を作成するのが安心です。

3. 不動産の名義変更に使うため法務局に提出

離婚時の財産分与で不動産の名義変更をするときには、登記申請書に離婚協議書を添付する必要があります。

ただし、司法書士に依頼すれば、法務局提出用に、離婚協議書とは別の登記原因証明情報という書類を作ってくれることが多いです。

ですが、登記原因証明情報にはあくまで不動産のことだけしか書きませんから、他の内容も含めて離婚協議書は作成しておいた方がよいでしょう。

4. 養育費保証を依頼するため保証会社に提出

養育費保証サービスを利用する場合には、保証会社に離婚協議書を提出する必要があります。

ただし、当事者同士で作った離婚協議書では認めてもらえないことがあるので、公正証書を作成しておきましょう。

5. 贈与ではない証拠として税務署に提出

年間110万円を超える財産を無償で受け取った場合には、贈与税がかかります。

贈与税がかかる場合には、自分で税務署に申告・納税をする必要があります。

なお、無償で財産をもらっているように見えても、それが離婚の際の財産分与なら、贈与税はかかりません。

財産の移転があったとき、それが離婚の際の財産分与なのかどうかは、第三者が見てすぐにわからないことがあります。

なので、税務署に「これ贈与じゃないですか。贈与税払ってくださいよ。」と言われたとき速やかに提出できるよう、離婚協議書は残しておきましょう。

6. 相手が約束を守ってくれない場合に裁判所に提出

離婚協議書に書いた約束を相手が守ってくれない場合には、裁判所に調停や裁判を申し立てることができます。

この場合には、離婚協議書を提出する必要があります。

まとめ

離婚協議書は義務的に作成するものではないので、作らなくてもよいと考える人も多いかもしれません。

しかし、上に書いたように、離婚協議書の提出を求められる場面は意外に多いです。

協議離婚するときには、必ず離婚協議書を作成しておいてください。

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